速度太郎の日記

ことばクリエイター(自称)の松本秀文が作品や雑文を掲載いたします。

2021-01-01から1年間の記事一覧

『金閣寺』を読む犬の隣で考えたこと

織姫とセックスした後 「おい!」 サッポロ黒ラベルを口に含む 「テメェ、コロスゾ」 コンドームを屑箱に入れる 「コロナがなければ毎日会えるのにね」 太郎が 複数の 次郎が向こうから走ってくる 「睡蓮でオナニーしたことはほんとうにすみませんでした」 …

オンライオン会議

俺がお前が ライオン あなたが彼が彼女が ライオン 崖から落ちて 花の悪 笛を吹きながら ライオンとして 画面上で再会 会いたかったけど 俺は死んだんだ コロナでね 君はすべすべしてて若いし 壁と同化して笑う月の実態 苦手な野菜を いやな顔をしないで食べ…

編集室

詩人が編集室にこもって 素晴らしい詩を書いている 幻想 「寿司をおごれ」 生霊に首を絞められて 俺が生霊かよ 部屋の中では 言葉コンテみたいなものが散らばる 破片が 生きるのか 死ぬのか 春の中で死ぬのか 春の中で 生きるのか テロリズムが支配的な戦車…

コロナの又三郎

「又三郎と云います」 迷い猫が我が家にやって来て いつの間にか日本語を習得していた 「NHKとEテレのおかげです」 俺は独身で趣味は詩くらいしかなく こんなつまらない人間と暮らして楽しいのかを聞いた 「あなたは全然理解できていない」 「え?」 「あな…

夢の食べ方

「上手ですね」紙の下で死んだ犬が言うつまらない犬だ歯車くらいの刺激をあたえて照明をあて続けてこいつを神様みたいにしようキムチ鍋の中に浸かっていたオモニが怒って「ひとの不幸笑うきたないバカモノ」焼肉食べたいひかりの宮殿みたいなとこでかぐや姫…

そうなんです

誰も知らない 山の中で どうやら 死体になってしまった ようだ やばい 早く帰って録画した映画を見たい 闇に抱かれて しくしく泣く 土に馴染めずに コンクリートを懐かしみ 表情のない人たちのことを 楽園にいたように思い出す 死神が 猫として笑う 朝までに…