言葉を信じすぎることは罪だろうか ハンバーグにガーリックソースをかけながら ふと階段のことを想う そこには倒れた浮浪者が 田村隆一の詩集を抱えている 段の一つ一つが苦しそうな表情で 固く口を閉ざしている 「死ぬ理由など幾らでもあった」 盗んだもの…
獏の中で 朝起きて 昨夜の夢を思い出している 食べられたのだ 夢の中では 僕が獏を食べている 水道管を伝う水の記憶 自分の思いのままに 輪郭を気にすることなく 生きていけたなら 都会の片隅 病気の猫の視線が 優しいものに拾われる場所 ひとは窓の外を眺め…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。