宇宙の涯(赤い小屋のある風景
長い手紙を書いていた夏
この世界に存在していないあなたに対して
子供の頃に使っていた鉛筆で文字を綴った
青白い闇の中で蝋燭の貧しさに照らされて
死んだ者たちのことを自分なりに考えている
まだ充分ではない
だから死ぬことを許されていないのだろう
私の文字が奏でる心の傷跡に
誰かが触れることで私が救われることを願う
あなたがかろうじて
このロクデモナイ世界を肯定することができるなら
怪物たちと過ごす夜も苦しいものではない
あらゆる文字はきっと世界の空虚に浸透して
腐った魂の内部で生き延びてゆくだろう
単純な事象
それを愛しているだけでお前は救われるだろう
誰かの膝の上で今まで言えなかったことが
言えた(よーな気がする