速度太郎の日記

ことばクリエイター(自称)の松本秀文が作品や雑文を掲載いたします。

蜥蜴の町

宝石が自らの罪を告白して

輝きを失う時に

それを救う最後の方法を発明した男の物語

(欠損と息切れ)

女の腹の内部には不吉な鳥が飛び回り

「籠として生きてきたの」

「未来永劫呪われるだけの人生って」

通りで馬車をひく男の右眼に世界の半分が眠っていて

男の顎髭にはエキストラとしての民が集う

腐敗と悲しみで溢れる器に

宇宙を盛りつけて笑ったら

どんなドレッシングでも幸せを感じ取ることができるだろうか