速度太郎の日記

ことばクリエイター(自称)の松本秀文が作品や雑文を掲載いたします。

MAIGO STATION

Once upon a time

世界と和解するために

詩を捨てた男がいた

 

巨大な工場で

青い血を流しながら

言葉は傷ついていた

 

そして

伝説が終わる頃

駅には知らない猫が増える

 

金魚売りのおじさんに

世界の秘密を打ち明けても

まるで変化はありゃしない

 

「透明」という言葉が

透明でなくなった時から

終わりは見え始めていたのだろう

 

孤独が安価で交換される時代

世界とはぐれるために

詩を書こうとしている少年もいる

 

「誰が誰を救うのか?」