触れえぬもの
「生」のすべてを捧げても
触れえぬもの
それを人は探す
湿疹跡の皮膚を眺めて
星の言語を想像して
心と心の交換が不可能と気付く
「答えが欲しいようね」
季節の内部で崩壊した亀を連れて
遊園地で死んだふりをするような生活
そこに「恋」という文字は潜んでいたか
風が吹く
砂の中で
砂を噛んで
明日とは何かを知る
触れえぬものを召喚して
おはぎのような魂を抱く
あんこの中で死んでも構わない
きたない心が世界と同期して
「悔しいだろ」
水を求めて21世紀を跨いで
誰も知らない場所で花のふりをする
おめでとう